香りの数だけ
私は今、生活指導という普段病棟ではなかなかする事の出来ない仕事をしている。「生活習慣病予防のために運動をしましょうね」と、ほとんどの患者さんに言うのだが、いってる自分がやらないのもどうかと思って、今日はマンションの階段を9階まで歩いてあがってみた。
タマネギを炒める芳ばしい香り、シチューのようなまろやかな香り、馴染みのあるカレーのスパイシーな香り、そしてお風呂を沸かしているのか、フローラルシャンプーの湯気の香り・・・
夕暮れ時のマンションは、階をあがるごとに色々な香りが漂ってくる。姿は見えないけれど、それぞれの香りの向こうで、それぞれの人が、その生活を送っている。こうやって、色々な人の日常を、ぼんやりと考えるのが好き。そんな私は妄想族。