新型インフルエンザが発生したら⇒「病院にすぐには行くな!!」

新型インフルエンザは「病気」ではなく「災害」と思え!!

新型インフルエンザ対策といったって国や行政がやるものなんだから、個人でやる事なんてうがい&手洗いや、マスク着用ぐらいしかない――と、普通はそう思うだろう。だがこれを読めば、自分が新型インフルエンザに対する意識を180度変えなければ成らない事に気づくだろう。
まずは、米国HHS(日本の厚生労働庁に当たる機関)いち早く発表されている「新型インフルエンザ発生時の個人や一般家庭向けの行動計画」を見てみよう。

「病院や銀行、飲食店、各官庁などの社会機能がストップする」、「交通・輸送もストップするため、食料や市販の医薬品、水などを備蓄しておくべきである」、「労働が不可能になる場合を想定し、雇用主に罹患時の手当てや休暇規定などについて確認したり、収入が減った場合の対策を立てる」、「学校も閉鎖されるため、自宅学習できる教材などを家に用意しておく」etc....

まるで地震や台風などの大災害に備えるかのような対策が示されている。
そう、新型インフルエンザに対する対策は「災害への対策」と言ってもいい。それだけ社会への影響力が大きいのだ。しかももっと悪い事に、全世界でほぼ同時の流行が生じる可能性が高いため、他国からの支援・援助活動が期待できない。孤立無援で、自分の国だけで対処しなくてはいけないのだ。
もし新型インフルエンザが発生してしまったら、患者を増やさないために全力を尽くさなければいけない。感染拡大を防ぐには、実際はどうすればいいのか??その鍵は、実はあなた自身が握っているのだ。

②欧米ではインフルエンザになっても病院にいかないのが普通!?

国民皆保険制度がなく、保険に入っていなければ初診料が6万円も取られてしまうようなアメリカでは、実は普通のインフルエンザ程度は「自宅療養」が基本である。もともと普通のインフルエンザであれば、健常成人では薬すら使わなくとも数日間で自然に解熱するものなのだ。
では日本ではどうだろう。「突然高い熱が出た、インフルエンザのようだから病院に行き、検査キットで診断してもらい、タミフルリレンザといった薬を貰って家で飲む。」というのが常識だろう。
実はこの習慣の違いが、日本での新型インフルエンザ対策を難しくしている。

③ひとたび新型インフルエンザが発生したら、病院にすぐ行ってはいけない!!

普通のインフルエンザであれば、いつもの通り病院に行けばいい。しかし、「新型インフルエンザが発生した」という報告がされたら、自分の対応を180度変えなければいけない。「病院にすぐに行ってはいけない」のだ。なぜか??あなたが「インフルエンザかな」と思ったらまず行く場所は、職場でもなんでもなく、「病院の外来」だろう。そして新型インフルエンザも、始めは普通のインフルエンザとまったく変わらない。熱が出て、インフルエンザ様の症状が出る。検査して薬をもらおうと病院に行く。インフルエンザシーズンの外来は、患者でごった返している。そこに新型インフルエンザ患者が紛れ込む⇒一気に広まる、のである。
つまり、世の中で最も新型インフルエンザにかかる危険性が高い場所、それは「病院の外来」なのだ。
これを防ぐためには、不必要に病院にいかないこと、それが何よりも大切なのである。

④自分の意識を変えることが、身を守る最大の手段

上記のような事を書くと、自宅療養に慣れていない日本国民からは「普通のインフルエンザの人が病院に行かず、家で重症になったり死んだりしたら・・・」という不安が出てくるだろう。もちろん、病院にかかってはいけないという訳ではない。まずは、新型インフルエンザと疑わしき患者と、普通のインフルエンザの患者とが、同じ病院にかけこまなければいいのだ。
では、インフルエンザ様の症状が出たらどうすればいいのか。
実はここから先は、国レベルの対策は発表されていない。「発熱外来」や「保健所での電話相談」など特殊なチームを作成し、疑わしい患者とそうでない患者を振り分ける為の機関が必要だ。現在、各保健所を中心に、そのシステム作りが急ピッチで進められている。
それと同時に、この「インフルエンザの様な症状が出ても、すぐには病院にいかない」「まず保健所等の自治体対策機関に確認する」というあなたの意識と行動こそが、感染拡大を防ぐための第一の条件になる。
次の章では、新型インフルエンザが普通のインフルエンザと違い、なぜこれほどまでに恐れられているかを説明する。