なぜそんなに怖いのか?
①新型インフルエンザは病原性が強い
次の新型インフルエンザが恐れられている理由、それは今までに大流行したウィルスに比べて、はるかに毒性が高い、ということである。この毒性とはつまり、標的臓器(ウィルスが悪さを及ぼす場所)が体の中にどれだけあるかということ。
弱毒性のウィルスは、主に呼吸器(と、消化器)にしか感染しない。そのため症状も呼吸症状と発熱などに限られる。
しかし強毒性性のウィルスは、全身に反応を引き起こす。特に今回のH5N1型は、鳥に感染した場合をみてみると、全身症状を来たし致死率が約50%といわれている。
②すでにいつ発生してもおかしくない状況にある
WHOでも、新型インフルエンザが現れるのは時間の問題といわれている。その根拠は。
そもそも新型インフルエンザって何?=本来は人以外の生物からは感染しないウィルスが変異して、動物から人に、さらには人から人に感染するようになってしまったインフルエンザウィルスのこと。現在この新型インフルエンザになる可能性が一番高いウィルスが、H5N1型鳥インフルエンザである。
トリ同士の感染
↓(ウィルスの突然変異)
トリからヒトへ感染 ←今はこの辺
↓(ウィルスの突然変異)
トリからヒトへ、そしてそのヒトからヒトへ感染
↓(ヒト同士の接触)
全世界的大流行(パンデミック)
新型インフルエンザの世界的な流行は、ほぼ10年〜30年おきの間隔で生じている。この間隔というのは、ウィルスがヒトへ感染するための突然変異が完成するのに必要な期間とも考えられる。時間的に言っても、ウィルス解析による変異の状況を見ても、すでにトリ型からヒト型に近くなりつつあることが解っている。
これが現在世界中で対策が急ピッチで進められている理由である。